■「会員の活動状況に関するアンケート」結果報告(2021年3月18日)

養成講座を受講される方々の動機は様々であり、修了後の活動も多岐にわたっております。そこで、昨年12月に多様化した皆さまの活動に有用な支援を講じることを目的として、会員皆様の活動状況を調査させていただきました。

回答頂きました調査結果がまとまりましたのでご報告いたします。

1.成年後見に関する活動の調査では、「受任活動している(31%)」「受任活動はしていないが成年後見に関連する活動をしている(31%)」「現在活動はしていない(38%)」がほぼ同数でした。
所属団体の調査では「NPO法人等」が27%と多く、「社協など自治体の委託を受けた団体(9%)」「任意団体(6%)」と続いております。一方「所属していない」方が半数いらっしゃいましたが、このうち、14名(10%)は個人で活動されております。

2.「活動している地域の中核機関が整備されているか」については、37%の方が「中核機関は整備されている」及び「中核機関の整備は進んでいる」を挙げており、「整備されていない」と回答した方が18%いらっしゃいました。

3.年代別にみますと、回答頂いた方は60歳代が40名、70歳代が36名と、7割の方が60歳以上でした。受任されている方は70歳代が15名と最多で、50歳代以下の方々の後見活動への参加が課題と思われます。

4.活動状況別の調査を紹介します。
①「受任活動してよかったと思うことは」の質問に、8割の方が「成年後⾒に関する知識や経験することができた」を選んでおり、続いて「社会貢献ができている」「被後見人等から感謝されている」「支援者と連携して活動ができた」を、それぞれ6割の方が挙げております。
②受任活動はしていないが成年後見に関連する活動をしている方の活動内容は、「講演会等」が56%であり、続いて「相談窓口(25%)」「情報発信(19%)」「調査・研究の実施(19%)」を挙げております。
このうち、43%の方が「受任活動をしたい」を選択しておりますが、受任活動ができない理由として、「受任するきっかけがない」「活動に時間を割くことが難しい」などを挙げております。
③活動されていないと回答された方の内、7割の方が何かしら活動したいと考えており、そのうちの80%を超える方が「地域住民の支援など地域貢献」を選んでおります。「団体に所属して成年後見の普及など後見に関連する活動をする(45%)」「団体に所属して後見活動をする(38%)」が続いております。

詳細は下記をクリックしてください。
活動状況に関する報告書


■「新型コロナ禍における後見活動に関するアンケート」結果報告(2020年10月22日)

調査目的

新型コロナにより新たな生活様式が強いられております。後見活動は制限され、被後見人等との面談などに支障が生ずることが懸念されます。このような社会状況下おいて被後見人等をサポートする対策や、後見活動における不安などを調査し、会員皆様に活動の参考にしていただくためアンケートを実施しました。

アンケート方法

  • 調査手段:Google フォームへのアクセス
  • アンケート回答対象者:後見活動を行っている市民後見ひろば会員及び団体
  • アンケート期間:令和2年8月30日~令和2年9月10日(12日間)
  • 有効回答数:53件(発信メール件数:640件)

※回答者の性別、年齢、被後見人と受任の関係については、「アンケート回答まとめ資料①-1,2,3」を参照ください。

 ●アンケート結果の概要

1.新型コロナ禍における後見活動の支障の有無について

「新型コロナ禍により後見業務に支障がある」と回答いただいたのは、全体の約70%(37件)でした。やはり、多くの後見人がコロナ禍での活動に支障があると感じています。後見人と被後見人の関係で、「NPO法人などの団体」では「支障がある」との回答が約80%と多くなっています。(資料①-5参照)

2.被後見人等との面談での支障に対する対策について

支障の理由としては、多くの方が「面談できないこと」「面談時間の短縮」をあげており、調査時点では面談は行いにくくなっているようです。また、NPO法人など団体として受任している方からは、支援者同士のつながりが持ちにくくなっているとの回答も多くありました。(資料①-6参照)

面談できないことの対策としては、リモート面会や電話、手紙でやり取りすることで被後見人の不安を払拭し、施設相談員や家族からの状況の聞き取りで被後見人の状態を把握しているなどがコメントされております。(資料②-1参照)

一方、直接に面談ができないことで、被後見人の精神的ストレスや健康状態がわからないことに後見人の不安があることや、会話ができないことから、被後見人のストレスが溜まってしまうこと、信頼関係が維持できないことなどが、不安材料としてコメントされております。また、団体活動されている方からは、新たな相談や制度説明の機会が取りづらい、団体内の情報交換がとりにくいなどのコメントが寄せられています。(資料②-2)

 3.家庭裁判所との業務についての時間的な支障について

家庭裁判所との業務に時間的な支障がないと答えた方は約60%(32件)でした(「現在、家庭裁判所との関わりがない」の回答を含みます)。4月、5月は裁判所の業務が停滞していたようですが、思ったほどの影響はなかったようです。時間的な支障としては、「受任申し立ての手続きに時間がかかっている(9件)」「家庭裁判所への問い合わせに対する応答が、通常よりも時間がかかっている(3件)」「報酬付与審判が遅れている(3件)」などがあげられておりました。(資料①-7参照)

 ●アンケート結果についての考察

新型コロナ禍では、直接会っての面談が制限されていたことで、ICTを活用したリモートによる面会や電話などを活用している方が多くなってきました。また、手紙でのやり取りや、絵手紙を送るなど創意工夫した取り組みもおこなわれております。リモート面会ができない方は、施設相談員との面談連絡を増すことや、ご家族からの聞き取りで、被後見人の健康状態を把握されております。

ただ、直接会えないことで、被後見人の体調変化や生活環境の変化を目視で確認することができないこと、定期的な訪問ができないことで、被後見人が精神的に不安定になっているなど、懸念されることも多いようです。また、面会ができないことにより被後見人との信頼関係が低下することへの危惧や、後見人自身が感染してしまうことへの不安などもあげられておりました。

尚、10月14日の報道によりますと、厚生労働省は、面会や外出の制限が長引くことで、高齢者施設の入所者の運動能力や認知機能の低下がみられる、との調査結果を受けて、適切な感染対策を取ることなどを条件に、施設の管理者の判断で、面会を実施できるよう制限を緩和する方針を決めたとのことです。これからは、地域の感染状況を踏まえつつ、面会の制限が、随時緩和されると思われます。一方、在宅ケアを受けている高齢者の運動能力や認知機能の低下については、それぞれの高齢者の状況(意向)に応じた個別対応となっており、その実態はまだ正確には明らかになっておりません。